博多ばさみ
(文:店主の妻)

当店の近く(西成区)には靴メーカーが沢山集まっています。
大阪靴メーカー協同組合のホームページの 加盟企業一覧 を見ると一目瞭然です。

ウチのお店も靴関係のお客様が多いです。
この業界の方が最もよく使われるハサミは「裁ちばさみと握鋏」ですが、
部署によっては博多ばさみも結構使われています。

この 博多ばさみ、一般の方にはあまり知られていませんが
「私のおすすめアイテム」のうちの一つです。

革やゴム関係のお仕事の方だけでなく、一般にも新聞の切り抜きやパッチワークの細かな作業に
「軽くて使いやすい + 切れ味が良い」 ハサミです。

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先日、かわいそうな状態になった博多ばさみの修理を承りました。
 (写真ではおわかりいただきにくいのですが・・・)

博多ばさみ(修理前)

刃先を拡大すると・・・ (写真をクリックすると拡大 します。)
刃先拡大(修理前)


反対側も沢山ヒビが入ってポロポロになっていました。
刃先拡大(修理前1)


博多ばさみにはもともと、刃に反りのある「曲刃」と、反りのない真っすぐな「直刃」があります。
曲刃と直刃

このハサミを持ってこられた方は「直刃」をハンマーで(自分で)叩いて先を曲げ、「曲刃」にしようと試みたそうです。

今回は再び直刃として使えるように修理して欲しいとのことで、
(夫が)傷んだ部分を切りとり、ヒズミを直して刃つけ調整し直しました。

刃先拡大(修理後)

切り取った分、刃先は短くなってしまいましたが、またお使いいただけるようになりました

が、ハサミの反りを出すには道具と技術が必要ですので、
次回はご自身で試みられる前にご相談下さいませ〜。

博多ばさみ(修理後)
【2008/07/23 13:50】 | 刃物研ぎ・修理 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
菜切り包丁の研ぎ・修理
長野県のS様から、山刀の刃欠け修理の依頼を受けるついでに、
「(刃物を)1本送るのも2本送るのも送料が同じだから・・・。」
とのことで、ダメもとで菜切り包丁も一緒に送られてきました。

研ぎ・修理前:山刀
修理前:山刀(全体像)


研ぎ・修理前:山刀の刃欠け
修理前:刃欠け


研ぎ・修理前:菜切り包丁
修理前:菜切り包


そして送られてきた包丁を見るとこちらが想像していた以上にサビが深く

研ぎ・修理前:菜切り包(刃の表)
修理前:菜切り包丁(刃の表)


刃の裏も何と銘が入っているのかわかりません。

研ぎ・修理前:菜切り包丁(刃の裏)
修理前:菜切り包丁(刃の裏)


その上、ひどく反っています。

研ぎ・修理前:菜切り包丁(反り)
修理前:菜切り包丁(反り)


包丁の状態をみながら、できる限りサビを取り除きましたが、
あまりにもサビが深かったので、一部とりきれずに黒い斑点となって
サビの巣が残っています。

研ぎ・修理後:菜切り包(刃の表)
修理後:菜切り包丁(刃の表)


しかし、包丁を砥石にあててみて、良い材質の菜切り包丁であることがわかりました。
サビに埋もれていた銘も見えるようになりました。
「青鋼」の包丁です。

研ぎ・修理後:菜切り包(刃の裏)
修理後:菜切り包丁(刃の裏)

刃の反りも直りました。

研ぎ・修理後:菜切り包丁(反り)
修理後:菜切り包丁(反り)

山刀の刃欠けも直りましたが、こちらは刃物としての質感を含め、材質や構造があまり良いものとは言えませんでした。

研ぎ・修理後:山刀
修理後:山刀(全体像)



【2008/07/09 18:44】 | 刃物研ぎ・修理 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
式包丁
式包丁の研ぎ・修理です。

式包丁は包丁式と呼ばれる厳粛な儀式で使われるもので、今回、研ぎ・修理をした式包丁は四條流ですが、流派により包丁の形状も違うようです。
(四條流は平安時代から始まると伝えられる日本料理の流派。)

参照:四條流庖丁道

写真:研ぎ修理前
式包丁(研ぎ・修理前)

包丁の反りがひどく
式包丁(反り)

鞘(さや)が割れていましました。
鞘(さや)の割れ


この式包丁は先代(山東義一)が25年ほど前に製作したもので、銘を見ても晩年の仕事ということがわかります。
式包丁(修理前・拡大)

特別仕様で日本刀のように目抜きで柄(つか)を目釘穴から抜きやハバキ(刀身が鞘から抜け落ちないようにするためのもの)もあり本格的です。
式包丁を目抜き


研ぎをしてみるとすぐにわかりますが、すごく良い「拵(こしら)え」で昔の人はさすがに丁寧な仕事をしているなぁ、とあらためて感心しました。

写真:研ぎ・修理後/式包丁の分解
式包丁分解(修理後)


組み立てて研ぎ・修理の仕上がりです。
式包丁(研ぎ・修理後)


久しぶりに先代の仕事に触れ懐かしさと自分自身がまだまだその域に達していないという事をあらためて思いました。
「職人は一生、修行。」と言われますが、まさしくそのとおりです。

【2008/06/19 18:38】 | 刃物研ぎ・修理 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
鋳物製のはさみ
先日、はさみの研ぎ・修理を依頼された中に鋳物製のはさみがありました。

鋳物のはさみ1

鋳物のはさみ2

実物を見ると鋳物製かどうかすぐに判りますが、写真だけではその質感や細部についてわからないことがあります。見分ける方法として

1.普通サイズ(24cm)でネジ部分がカシメの場合。ネジの取り外しができないタイプに多く見られます。

2.ネジ穴の形が両方とも丸になっている事が多いです。
 (通常の裁ちばさみの場合、ネジ穴の形状は、ほとんが片方が丸で、もう片方が四角になっています。)
鋳物製のハサミはネジがはずれない事が多いので、一般的にはネジ穴の形を確認できませんが、今回の送られてきたハサミはネジが外れた状態(上の写真の状態)で送られてきましたので両穴が丸であることも確認できました。

3.刃先の角度が極端にきつい(約80度くらい)

当店では鋳物製のはさみ、ハガネの無いはさみ、スーパーや100円ショップなどで販売されている粗悪なはさみなど、研ぎ・修理をする値打ちのないものは、やんわりとお断りしています。
実際に研ぎ・修理をすると粗悪な物も良品に変わると勘違いされている方もいらっしゃいます。

良い刃物が持っている本来の特性を元の姿に戻すことが私の仕事です。

当店への刃物研ぎ・修理についてはこちらをクリックしてご覧ください。


【2008/06/11 22:43】 | 刃物研ぎ・修理 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
季節外れの餅切り包丁
刃物の中にも季節感がある物があります。
今の時期は「鱧切り」や「うなぎ裂き」ですが、「氷削りの刃」などの研ぎをするようになると「あぁ、夏やなぁ。」とあらためて感じます。
しかし今回の研ぎ・修理の依頼は、まさしく季節外れの「餅切り包丁」です。

写真:餅切り包丁(研ぎ・修理前)
餅切り包丁(研ぎ・修理前)

餅切り包丁の大きな特徴は両方に持ち手の柄があることです。
今回はお客様のご要望で柄の取替えも承りました。(※柄の片方は割れがありました。)

写真:研ぎ・修理前/うっすらサビが出ていますが、
 (写真をクリックすると 拡大表示 できます。)
餅切り包丁:拡大(研ぎ・修理前)


写真:研ぎ・修理後/この程度の浅いサビは綺麗にとれます。ミネの部分の傷も直しています。
餅切り包丁:拡大(研ぎ・修理後)


写真:餅切り包丁(研ぎ・修理後)
餅切り包丁(研ぎ・修理後)


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餅切り包丁といえば、主に1月の鏡開きの頃に使われていました。
しかし昨今、一般家庭では勿論の事、和菓子屋さんでもあまり使われません。

以前に、あるお客様の依頼で餅切り包丁を刃の真ん中で切断し、1本の包丁から2本の菜切り包丁に作り替えたことがありました。
 ※刃の長さにより小ぶり(12〜13cm)の物になります。

どの業界も機械化が進み餅切り包丁の出番がなくなった事に少し寂しさを感じますが、使わずに眠らせておくよりリメイクして又お使い頂ける事は嬉しいことです。

どこかで眠っている餅切り包丁があれば、研ぎ・修理、または1本を2本へのリメイク、承ります!

当店への刃物研ぎ・修理についてはこちらをクリックしてご覧ください。
【2008/06/06 09:05】 | 刃物研ぎ・修理 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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